【令和3年度1級土木】問題4.建設発生土の現場利用【2次検定】

過去問解説
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問題

建設発生土の現場利用のための安定処理に関する次の文章の(イ)~(ホ)に当てはまる適切な語句を回答欄に記述しなさい。

(1)高含水比状態にある材料あるいは強度の不足する恐れのある材料を盛土材料として利用する場合、一般に(イ)乾燥等による脱水処理が行われる。(イ)乾燥で含水比を低下させることが困難な場合は、できるだけ場内で有効活用をするために固化材による安定処理が行われている。

(2)セメントや石灰などの固化材による安定処理工法は、主に基礎地盤や(ロ)、路盤の改良に利用されている。道路土工への利用範囲として主なものを上げると、強度の不足する(ロ)材料として利用するための改良や高含水比粘性土等の(ハ)の確保のための改良がある。

(3)安定処理の施工上の留意点として、石灰・石灰系固化材の場合、白色粉末の石灰は作業中に粉塵が発生すると、作業者のみならず近隣にも影響を与えるので、作業の際は、風速、風向に注意し、粉塵の発生を極力抑えるようにする。また、作業者はマスク、防塵(ニ)を使用する。石灰・石灰系固化材と土との反応はかなり緩慢なため、十分な(ホ)期間が必要である。

 

 

 

 

 

 

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回答例

(イ)・・・天日(ばっ気でも可能かと思います)、(ロ)・・・路床

(ハ)・・・安定性(機械について記載があれば、トラフィカビリティ)

(ニ)・・・メガネ、(ホ)・・・養生

 

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解説

(1)天日(ばっ気)乾燥は、ばっ気ヤードの確保が必要になります。

掘削したり浚渫した土砂を天日乾燥させます。一般的には、乾燥させる時間が無かったり、自然含水比を低下させても強度が不足するような場合はさっさと改良するかな。
(2)路床とも路体とも記載が出来そうですが、強度についての文言がある場合は路床とするのが良いでしょう。路体盛土の場合はどちらかというと機械施工におけるトラフィカビリティの確保のための改良工が一般的です。コーン指数でいうと400程度がひとつのラインだと思います。(ハ)の回答は安定性の方が良さそうです。問題文に(湿地)ブルドーザの施工に必要な○○の確保とかだったらトラフィカビリティかな。
盛土工事を進めるうえでは、事前に土質試験を行います。土質試験についても併せて覚えておくと良いかもしれませんね。セメントはボンディング効果、石灰はロッキング効果と含水比低下やポゾラン反応等で強度発現します。そして、セメントの方がカチカチになります。
(3)記載の通りです。作業員にはメガネを装着していただきましょう。あとマスクもあると良いですね。※夏場はつらいです。
 セメントは石灰系に比べ素早く固化します。石灰系も初期硬化である程度の強度発現はします。どちらにしろ養生は必要なので覚えておきましょう。
石灰系固化材は、短期で含水比低下と針状結晶であるエトリンガイドによるロッキング効果、中長期でポゾラン反応による化学的結合作用で強度発現します。長期の安定化として炭酸化反応による硬化・固化が行われます。セメント改良材や石灰系改良材は、六価クロム溶出の懸念があるので、使用する前に六価クロム溶出試験を実施します。特にセメント系から出やすいです。ちなみに、消石灰や生石灰だと溶出試験の必要はありません。
土工事は建設工事でよく発注されますので、試験だけではなく実業でも押さえたいですね。

 

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