【令和2年度1級土木】問題3.コンクリートの混和材料【2次検定】問題・回答・解説

過去問解説
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問題

コンクリートの混和材料に関する次の文章の(イ)~(ホ)に当てはまる適切な語句を解答欄に記述しなさい。

(1)(イ)は、水和熱による温度上昇の低減、長期材令における強度増進など、優れた効果が期待でき、一般にはⅡ種が用いられることが多い混和材である。

(2)膨張材は、乾燥収縮や硬化収縮に起因する(ロ)の発生を低減できることなど優れた効果が得られる。

(3)(ハ)微粉末は、硫酸、硫酸塩や海水に対する化学抵抗性の改善、アルカリシリカ反応の抑制、高強度を得ることができる混和材である。

(4)流動化剤は、主として運搬時間が長い場合に、流動化後の(ニ)ロスを低減させる混和剤である。

(5)高性能(ホ)は、ワーカビリティーや圧送性の改善、単位水量の低減、耐凍害性の向上、水密性の改善など、多くの効果が期待でき、標準型と遅延型の2種類に分けられる混和剤である。

 

 

 

 

 

 

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回答例

(イ)・・・フライアッシュ、(ロ)・・・ひび割れ、(ハ)・・・高炉スラグ

(ニ)・・・スランプ、(ホ)・・・AE減水剤

 

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解説

(1)フライアッシュを利用したフライアッシュコンクリートはたくさんの優れた効果が期待できます。ちなみにフライアッシュ(FlyAsh)は石炭を燃焼する際に生じる灰です。一般的にはⅡ種が用いられることが多いこと。これをまず覚えておきましょう。そしてポゾラン反応が長期間継続し、耐久性に富んだ構造物が出来上がるとされています。興味のある方は是非調べてみましょう。

フライアッシュの特徴はたくさんの優れた効果があることと、形が球体であること。密度がセメントに比べて軽いことなどが挙げられます。
(2)膨張剤は水和反応によってエトリンガイトや水酸化カルシウムの結晶を生成して、その成長による膨張させる作用を目的としています。ちなみにJISA6202に定められているので、その種類や内容を詳しく知りたい方はそちらをご確認ください。
乾燥収縮や硬化収縮に起因するという文言を見てひび割れというワードが出てくればしめたものです。
(3)高炉から排出された溶融状態のスラグを急冷して粉砕し、微粉末として調整したものです。ガラス質で化学反応を起こしやすい状態となっています。
セメントと混合することで、コンクリートの化学抵抗性、流動性、水密性、長期強度が増進しますが、強度発現が遅くなります。仕事では普通コンクリートよりもよく使ってます。
(4)運搬問題の解消。スランプロス対策。これが出てくれば大丈夫です。予め練り混ぜられたコンクリートに後から添加すると分散効果が増大します。
(5)高性能と記載があるので減水剤とAE減水剤かで悩むと思います。AE剤はコンクリート中に微細な空気を生じさせる作用があり、スランプの保持性能や耐凍結融解性能等を有します。問題文に対凍害性の向上とあるので、高性能AE減水剤が良いでしょう。因みに高性能かどうかは、減水率の規定によります。
(※)混和剤と混和材の違いですが配合計算時に数量を考慮するものが混和材と教えられました。使用量の大小で決まりそうですね。
(※)エントランドエアとエントラップトエアが両方とも略すとAEです。AE剤は非常に小さいな気泡を生成します。エントラップトエアは何かというとただの気泡と思ってもらえればよいでしょう。練り混ぜると空気が混入しますからね。エントラップ(entrap)なのでいわゆる罠にかける。意図せず入ってしまった空気って感じでしょうね。

 

 

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